2016年04月16日

どこへ行くのか

しばらく前のお式でのこと。
初七日の法要を終え、ご住職が皆様にお話をしてくださいました。
ご住職曰く「私も別のご住職から伺ったお話」。

『怖がらんでもええよ。人間生まれて来るときは何もわからん間に生まれてくるやろ。死ぬときも一緒。わからん間に死ぬんやから怖いことも辛いことないんやで。大丈夫』。

このお話がとても印象的で、ふと高校の時の古典の授業で習った『方丈記』の一節を思い出しました。

──知らず、生まれ死ぬる人、何方(いずかた)より来たりて、何方(いずかた)へか去る。

生まれる時も死ぬ時も、知らない間に知らないところから、ふっと降りてきてふっと昇って行くのでしょう。
亡くなった方が行く場所はどんなところなのでしょうか。誰にもわかりませんが、願わくば美しく楽しい場所であってほしいです。

私たちに出来るのは、お花を添えて旅立ちの身支度を整えて差し上げること、見送る皆様の心をわずかながら支えて差し上げることだと考えます。

それに、方丈記で言われているほどこの世が無常だとは思いません。
お棺を囲んで「あんたこんなにたくさん宝物残してくれたんやで」と涙ながらにご遺族・ご親族の皆様が声をかけていらっしゃるのをお見かけします。
本当に素敵なことです。旅立つ方の後には必ず何かの宝物が残ります。

そう思いながら、今日も皆様と一緒に手を合わせます。



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Posted by アスタサービス at 12:00 │Y.Y