2016年05月14日

男泣き

男泣き

先日お手伝いをさせていただいたお式でのお話。
喪主様は故人様のご長男。先輩方に同行し、喪主様とは何度かお会いしておりましたが、テキパキと必要なことを決め、しっかりとした印象を受けました。
ほとんど涙を見せずにお通夜、告別式と時間は過ぎ、いよいよ出棺の挨拶となった時です。
それまで堪えてきた涙がいっせいにふきだしたかのような、涙ながらの挨拶。自然ともらい泣きしてしまいました。

そういえばうちの父もそうでした。
普段、家では口数の少ない父。
母は、テレビを見ては泣き、怒っては泣き、感動しては泣きとよく泣いていますが、父の泣き顔はみたことがありませんでした。
そんな父の泣き顔を見たのは、祖母の告別式でのことでした。
棺を囲んでのお別れの儀式。係のお姉さんがくれた花を棺に入れた幼い私は、周りをきょろきょろと見回していました。
ふと見上げると、父の泣き顔がありました。
はじめて見る父の涙が、たまに会う祖母の死よりショッキングだったのを覚えています。
あれから何年も経ちますが、あれっきり父の涙は見ていません。

そして今私はいろんな方の涙を日々目にする仕事につきました。
いまだに男泣きの姿には特別なものを感じます。  


Posted by アスタサービス at 22:56Y.Y