2016年07月02日

お話

式場のセッティングが終わり、何気なく館内を見回っていた時のことです。
祭壇の前に喪主様が立って、じっと故人様のお顔を覗き込んでいらっしゃるのをお見かけしました。「楽になったかい」「楽になったなぁ」と呟いておられます。
生前大病を患い、亡くなるその時まで闘病を続けた故人様。私が近づくとその時のことを涙ながらに喪主様が話してくださいました。
喪主様も持病を抱え闘病中とのこと。故人様は自分の病気より喪主様の病気を心配されておられたそうです。痛む身体を端に寄せて、お見舞いに来た喪主様を自分のベッドに腰掛けさせようとしてくれたとか・・・。
式場には、音楽を趣味としていた故人様のオリジナル曲が流れていました。素朴な歌声に、少し沖縄の音楽のようなニュアンスの入ったメロディー。どこか懐かしいような、帰りたくなるワンシーンのような、そんな印象の曲でした。

当然ですが、私は故人様のことも喪主様のこともお会いする時まで全く知りませんでした。そこにどんなドラマがあったのか、自らの想像の域を出ることは決してありません。
ですが、惜しい人を亡くしたと思えてなりません。これは私が言うことではないのでしょうが。

ここに書けること以上に色んなお話を聞かせていただきました。
こういう風にお話をしていただけたのは本当にありがたいことです。
誰にともなく話したくなったときは、近くに居るスタッフを呼び止めてみてください。迷惑だなんて思うことは絶対にありませんから。  


Posted by アスタサービス at 21:21Comments(0)Y.Y