2016年08月06日

届いてほしい

先日告別式のお世話をさせていただいた方のお話です。

お母様が亡くなられたお宅で、喪主をつとめたのは息子様でした。
その喪主様には娘様がいらして、海外でバイオリンの演奏をされていると伺いました。
とてもおばあちゃん子だったそうなのですが、飛行機で20時間も30時間もかかるところにいらっしゃるため、残念ながらお通夜へのご参列はなりませんでした。それだけに、朝棺にぴったりと寄り添っている姿が印象的でした。

故人様もご生前中お孫様を大変可愛がっていらっしゃり、自分のお葬式ではバイオリンを弾いてほしいと伝えていたそうです。
そのため、出棺前のお蓋を閉める直前に4曲ほど演奏をしていただきました。
曲目もこれを弾いてほしいとご生前中からのご希望があったそうです。故人様がお好きだったのでしょう、懐かしい童謡のメロディーがバイオリンの音と合わさってなんとも物悲しく感じました。

本当はもっとたっぷりと弾いてあげたかったでしょう。もっと長くお顔を見ていたかったでしょう。
しかし、出棺の時間も迫り、お別れの時が来てしまいました。
きっと故人様もまだまだ聴きたい曲があったことだろうと思います。
残りの曲たちも、お孫様が住む海の向こうの国から、旅立たれたおばあ様のもとに届いてほしいと願っています。  


Posted by アスタサービス at 19:35Comments(0)Y.Y